ジェラートって聞くとなんだかお高そうなお洒落そうな、そして素材に拘って作っていそうな勝手なイメージを持つ。コース料理のデザートで出てくる感じ。
調べてみるとジェラートはイタリア・フィレンツェ生まれのお菓子で、”凍った”という意味らしい。アイスクリームに比べ乳脂肪分が低く、シャーベットに比べ高いものだそう。ローカロリーだけど満足度あるいいとこ取りなお菓子ってことか、いいじゃないのジェラート。
FLOTOは別名「誘惑の宝庫」と気がつく
都会のオアシス「参宮橋」
新宿や原宿が徒歩圏内でいて、明治神宮の豊かな緑にも囲まれている。まさに都会のオアシスといっても過言ではない、参宮橋駅。小田急線のひと駅であり、住所としては渋谷区代々木。
代々木上原や初台にも近いこの地は、落ち着きがありゆったりとした時間が流れる。こだわりの詰まったお店が多いのだが、住宅街の中にひっそりと構えていることもあり、ダンジョンのような感覚に陥る。
焼き菓子もケーキもジェラートも
ここ「FLOTO-フロート-」もそのひとつ。急な坂道に戸惑いながらやっとたどり着いたお店だ。
洗練された雰囲気の店内。普段スイーツ屋さんに行くことは少ないので、少し緊張していたが、こちらのペースに身を委ねてくれる優しい店員さんのお陰で、少し落ち着きを取り戻せた。
お店の奥はガラス張りの厨房になっており、うっとりするほどのバターの甘い香りが身体を包む。
手土産として買っていったら絶対に喜んでもらえること間違いなしの、見た目も中身もそそられる焼き菓子たち。バターサンドに気持ちを持っていかれながらも、お目当てのジェラートに軸を戻しショーケースを覗いた。
チーズケーキにチェリーパイ、キッシュとことごとく私の心を惑わしてくる。必ず今度はケーキを買いに来ようと心に近い、本当に今度こそ本命のもとに向かう。
嬉しいけど悩ましい豊富なバリエーション
日本各地の生産者さんから仕入れた産地直送の旬の食材を使ったジェラートたち。ネーミングからして全部美味しそう。レモンココナッツローズマリーとか、ごきげんすぎないか?
到底決まりそうもなかったから、Today’s Specialの2品、”もも”と”すいか”のダブルカップにした。すいかは好きだけど若干アレルギーがあって、ここ数年口にできていない。(半玉食べたら1週間喉の痒みが止まらなくて、免疫異常の恐怖を感じた。)
ジェラートなら痒くならずにすいかの味を楽しめるかなという、懲りない期待を胸に注文した。
ジェラートだけで1年中楽しめる
日によって、季節によって品揃えが変わるようなので、これは通わずにはいられない。過去にはキウイやカボチャ、ブラッドオレンジなどもあったようで、1年中楽しませてくる心意気に頭が下がる。
店内に数席のカウンター、外にはテラスもある。店内か持ち帰りか聞かれ、持ち帰るけどすぐ食べることを伝える。時間のかかる持ち帰りの場合は、別途保冷剤など用意があるよう。
よこしまな気持ちのない桃色のファンタジー
もものジェラート
上段に君臨するはもも。これは剥きたてそのままのビジュアルではないか。マジマジと見つめれば、胸がキュルルンとはこのこと。
溶ける前に早速ひとくち。木のスプーンですくうと、表面はスッと入ったあとにすぐジャリッという氷の細かな粒を感じる。食感もシャリ、トロ〜。ゆっくり溶けて、ももの強い甘さが残る。
決して加工されたような甘さではないところと、独特の舌触りもそのままで、冷凍したももを食べている感覚。かといってエグみは全く無いので、美味しいところだけ抽出されているよう。ねっとりとした溶け具合が癖になりそうで、あっという間にももに満たされた。
すいかのジェラート
下段に眠っていたお待ちかねのすいか。元来の水分量からなのか、シャーベット感の強い仕上がりとテイスト。口に含む前から、もう香りがすいかそのものである。甘すぎず、ベジを感じさせる素材重視の味わいだが、飲み込むと鼻の奥底から舌にかけて甘さが戻ってくる。ちゃんと甘さもあるよ!と顔を出す。
ももと同様、こちらもほぼすいか。絞ったすいかを冷凍したイメージ。産地直送のすいか自体がしっかりした甘みを持っており、ジェラートになったあとも素材感が後味として君臨する。よこしまな気持ち、嘘のない味に大満足である。
家から緑茶を持ってきたのだが、大正解であった。渋いお茶がよく似合う、夢見心地なひとときであった。
近隣公園「参宮橋公園」
お店を出てすぐの脇道の若干急な坂を登るとあるのが「参宮橋公園」。大きさはまずまずだが、きれいに整備されている。いくつかの遊具と水道、ベンチ、自動販売機がある。屋根付きのテーブル・ベンチもあって安心。
お店の前のテラスで食べても気持ちよかったかも。