手土産選びは奥が深い。数多あるジャンルの中から相手の好みや言動を思い返して、一番喜んでもらえそうなものを考える。相手のことをじっくり見つめ直す機会にもなるし、見事好みに当たったときの喜びはひとしおだ。
手土産といいつつ自分用も買ってしまう、季節限定の絶品苺大幅を求め行ってきた。
連日行列、人気の老舗和菓子店「鈴懸」
平日にも関わらず常にこの行列。ミッドタウン日比谷の地下にある「鈴懸」は、博多に本店を構える老舗の和菓子店だ。店内に厨房を構え、こだわり素材を使ったできたての和菓子が購入できる。
お客1組に対し、1名の店員がつくので、店内に入るのも順番を待つ。ガラス越しに中の様子を見ながら一歩一歩歩みを進める。
鈴の印が付いた大きな暖簾の目の前に来れば、順番もあと少し。中から店員さんに呼ばれたら、ついに和菓子たちとご対面だ。
季節限定の苺大福は早いもの勝ち
お目当ての苺大福。冬から早春の時期にしか販売しない、季節限定の代物。1日の販売数量も限られているが、何とか売り切れ前に買えた。
ショーケースに光り輝き、ころりと、ちょこんと並んでいる。他にいたお客さんも当たり前のように複数個注文していく。このペースで売れ続けていたら無くなるのも時間の問題と納得。
早めに注文を済ませて暖簾をくぐると、先程よりも列が長くなっていた。いいタイミングだったかもしれない。
苺を食べるための究極の「苺大福」
フルーツの女王である苺の赤が先端から覗く。ずっしりとした重さからして、苺の大きさが伝わってくる。
福岡県産の”あまおう”を使っており、契約農家から直接仕入れられている。あまおうが収穫できる短い時期だけの貴重な一品だ。
半分カットしてみると苺の割合に圧倒される。極薄の求肥、その周りにこし餡が一周。苺大福というより、苺を食べるために皮と餡がまとわっていると言ってもいいくらいの苺の主役感。
うっとりする甘さとこだわりの精巧さ
ひとくち頂くと、苺のシュワッとした炭酸のような発泡とサクッとした歯ごたえを感じる。すぐに果汁が舌に広がり、口内が水分で溢れる。これは、、、美味しすぎる!!!
口当たりが滑らかなこし餡の控えめな甘さが後を追う。小豆の皮は一切排除し、とにかく舌触りを重要視したきめ細やかな作業を想像させる。餡も美味しい。
とにかく苺が甘い、甘すぎる。何ヶ月もかけて育て上げた完成度の高いあまおうしか使わないからこその期間限定。だからこの美味しさが実現できる。
うっとりする甘さは人を幸せにするなぁ。手のひらサイズの幸せ、これは手土産にもってこいだ。
弾力ある甘さのかたまり「鈴乃◯餅」
季節限定の苺大福以外にも、おすすめ商品がある。「鈴乃◯餅」。”すずのえんもち”と読む。分かりやすく言えば、小さなどら焼きだ。これは年間通して購入できる超人気商品だ。
ぷりっとした膨らみが可愛らしく、フィルムから剥がすと生地の甘く香ばしい香りを強く感じる。
年間通じて購入できるミニどら焼き
手に吸い付くようなモチッと感は、食感にも通じる。佐賀県産のお米を使った皮は手焼きしており、大変キレイなきつね色。
歯ごたえを感じるモチモチの皮は、小ぶりなサイズを打ち消すほどの食べごたえだ。
こし餡の中に小豆の粒が入っており、滑らかな口溶けに小豆の存在をしっかりと感じる。ちょうどいい甘さと素材本来の芳醇さが鼻から抜け、渋いお茶を流し込めば体に糖が駆け巡るよう。
これまた手土産にはもってこいだし、自分へのご褒美にオススメしないわけがない。