大人になったら、のあらすじ
このままじゃダメなんて分かっているけど、好きな人はできないし目標は無いし、どうしたらいいの?
彼氏なし、夢・目標なし、日々の仕事で流れるような毎日を送るメイ。
35歳の誕生日を迎えても、祝ってくれるのは同じく独身の同級生2人だけ。
キートスというカフェで働くメイ。
「いつから彼氏いないんですか?」
口先ばかり達者な帰国子女の後輩の男の子は、仕事も覚えず失礼なことばかり聞いてくる。
年齢を気にするようになったのも彼のせいだ。
カフェの副店長としての仕事は嫌いじゃない。
気心知れた仕事仲間と、毎日同じものを頼む常連さん。
疲れた日には行きつけのバーで独身仲間と、収穫無しの婚活話に花を咲かす。
数年ぶりの恋愛と、少しずつ変わっていく人間模様、仕事では大きな選択に迫られる。
現実逃避をすることすらできなくなってきた、大人になり切れないメイの恋愛小説。
大人になったら、の名言
母の一周忌が終わってすぐの誕生日に、フウちゃんと別れ、わたしを自分の「命」と同等に考えてくれる人は、この世界にひとりもいなくなった。
結婚していない上に彼氏もいないというだけで、わたしやみっちゃんは、彼女たちより下の存在にされる。こんな風に、上から目線で忠告できるほど、結婚して子どもを産むというのは、偉く感じられることなのだろう。
誰ともしなくても、人間関係はちゃんと築いていける。でも、できる相手かできない相手かには明確な線があり、その内側に十年間も誰も入ってきていないのは、わたし自身の性格に問題があるからという気がする。わたしから誰かの線の中に入れてほしいと思ったこともない。
正論っていうのは、どんな意見にも勝ってしまうから、何も言い返せなくなる。それは、一番の攻撃で、人を傷つけるってわかんない?