会えるなら会っておいた方がいいに決まっていた

初めてサイン会というものに行ってきた。銀シャリ橋本さんのエッセイ本発売記念イベントだ。

今までこういった類のものは一切参加してこなかった身だが、直接応援していることを伝えることが大事、と最近の気づきから申し込みを決意した。

銀シャリを好きになったのはもうかれこれ15年前になる。

群馬に住んでいた中学生が、何をきっかけにか大阪の劇場baseよしもと(現 漫才劇場)の存在を知る。

鉄筋base、炎上baseという、baseよしもと所属の中でも人気上位の芸人たちがレギュラー出演できる関西ローカルのバラエティ番組があった。

もちろん群馬では放送する訳もなく。(時効と目を瞑って欲しいのだが)アップロードされた動画を観ては、関西芸人の面白さに胸躍らされていた。

ジャルジャル、モンスターエンジン、天竺鼠、かまいたち、スマイル、藤崎マーケット、銀シャリ、スーパーマラドーナ、GAG少年楽団、学天即、ソーセージ、ウーマンラッシュアワー、和牛、見取り図。

こんなにも面白い芸人がいることを教えてくれた。私の青春だ。

サイン会に話を戻すが、手渡ししてくれるとあらばお話ができるということ。何を伝えようか考えて考えて当日を迎える。

サイン会は新宿のブックファースト。早めに着いたので本を買おうかとお店に入ったら、橋本さんが写真撮影していた。びっくり。

予期せぬご本人早めに見ることができて、ホッコリしながら開場を待つ。

他の参加者さんは同世代くらいの女性が多い印象。私なんかと比べて、単独とか足繁く通っていらっしゃる超銀シャリファンだろうなという方たち。

銀シャリのファンの方ってすごく笑いのセンスある人たちって思ってるから、なんだかその中の一部になれた気がして誇らしい気持ちに。

開場してすぐに橋本さん登壇。写真撮影OKというありがたさ。

橋本さんの何が好きかって、ワードセンスと、なんでも言葉を掛け合わせられる速攻性。エッセイのタイトル通り、細かいところへの気づきの凄さだ。

ダジャレとか言葉の掛け合わせが大好きな私にとって、橋本さんの湯水の如く溢れ出てくるボキャブラリーと豊富な知識量には、時折感動すら覚える。

お渡し会が始まると、1人ずつ橋本さんへの熱い想いを話していく。何度も参加しているのか認知されてる方とか、遠方から足を運んでいる方とか、とにかく皆さんの愛を感じる言動に、こちらまで嬉しくなる。

あっという間に自分の番が。

とりあえずbaseよしもと時代から好きですと伝えると、ずいぶんと昔から、時の流れは早いねと応えてくださる。

当時中高生とかで、メールアドレスに銀シャリの要素入れていたことだけなんとか伝えて。炎上baseを観ていたことは言えなかった。

寒いからお腹冷やさないように気を付けてくださいと言うつもりが抜けてしまって、応援してますとだけ言って終わった。

体感5秒。貴重な時間だったけど、あまりにも短い。

でも目の前で自分のためにサインを書いてくださり、話をしてくれるという、当たり前ではない距離感。思い返すだけで手に力が入る。

頭ボーッとしながら家に帰る。

これからは、自分の応援しているもの、応援したいと思ったものに関して、行けるものは行っておこうと心に決めた。

楽しいことして生きてるーって感じ。明日はクリスマスイブ。ひとりで好きなことだけして、純粋に喜べる感性を持ってるって素晴らしいことだよ。