言い寄る【田辺聖子】

いい男性から言い寄られて、仕事も恋も順風満帆。

でも片思い中の彼にだけは、、、。

31歳の乃里子は、フリーのデザイナーとして働く傍ら、絵を描き展示会に出展したりと忙しい日々を送っている。

そんな乃里子の友人美々が、男にフラれたと泣きついてきた。

美々はその男に尽くすだけ尽くしたにも関わらず、呆気なく捨てられた。

悔しいのでせめてお金だけでも取りたいと言い、乃里子に話し合いに付き合って欲しいと頼まれる。

お金は美々が妊娠したことにし、子供をおろすためにお金を出してほしいということに。

話し合いには男の友人剛も同席しており、剛はガタイの良い色男であった。

後日、剛は美々へのお金を預かったので、乃里子が取りに来て欲しいと言い出す。

それは単なる口実で、剛は乃里子をデートに誘う。剛と乃里子は話の馬が合い、乃里子も満更ではなかった。

だが乃里子は幼馴染の五郎に絶賛片思い中。

剛と違って五郎には軽い話も出来ず、慎重になってしまいもどかしい思いばかりしていた。

色々な男性から言い寄られるものの、本命の幼馴染とは仲の良い友人止まり。

そんな関係性を大きく揺さぶる出来事が乃里子を襲う。

人生を謳歌しているようにみえる女性の、もどかしい思いにむず痒くなる、大恋愛小説第1弾。