アヒルと鴨のコインロッカー【伊坂幸太郎】

本屋を襲わないか?

隣人に本を盗む手伝いをさせられる。ブータン人に辞書をプレゼントするために。

椎名は大学入学のタイミングに、アパートでひとり暮らしを始める。

引っ越しの挨拶回りをしていると、河崎と名乗る全身黒づくめの住人に話しかけられる。

同じアパートに住むブータン人留学生のドルジのために、広辞苑をプレゼントしたいという河崎。

本屋を襲わないか?と突飛なお願いをしてきた。

河崎が言うに、ドルジは琴美という恋人を失い心を閉ざしているため、あまり姿は見せないという。

河崎の達者な口ぶりとおかしな話に乗せられて、椎名は本屋襲撃に加担することとなる。

閉店間際の夜の本屋に向かう2人。

河崎は正面から入り、広辞苑を奪うという。
椎名は裏口から店員が逃げないように、見張っていてほしいと言われる。

なんでも悲劇は裏口から起きるらしい。

現在の椎名と、2年前の琴美。2つの視点から物語は進んでいく。

辞書を盗む本当の目的が分かった時、世界は一気に変貌を遂げる。