僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る。
元彼が残した奇妙な遺言状。遺産の分け前を貰うべく犯人に仕立て上げる。
年収2000万円のバリキャリ弁護士、剣持麗子。
お金を稼ぐためなら苦労を厭わず、あらゆる弁護で闘ってきた麗子。
逞しく美しい見た目の、強い女性である。
麗子は、彼氏に40万円の婚約指輪でプロポーズされたことに腹を立て、彼氏を置いてレストランから飛び出す。
そして弁護士事務所からはボーナスを削られ、仕事を熟してきたつもりの麗子は憤怒し、事務所を辞める。
彼氏からは連絡も来ず、仕事も辞めてしまった麗子は、ふと元彼の森川栄治にメールを送る。
すると栄治の代理人と名乗るものから返信があり、栄治は闘病の末先日息を引き取ったとのことだった。
大学時代に栄治と付き合っていた麗子だが、とにかく見た目が良く女性から人気のあった栄治に浮気をされて、呆気なく別れただけの軽い関係。
栄治のことなど何もしらなかった麗子だが、大手製薬メーカー森川製薬の御曹司であることが判明する。
栄治の幼馴染の篠田に呼び出された麗子は、奇妙な遺言状を残したことを教えてもらう。
何でも栄治を殺した人に全財産を譲るというのだ。
持株も含めれば数千億ともなる遺産。
3か月以内に犯人を特定できなければ国庫に移動させられてしまう。
篠田は、栄治が亡くなる数日前に開かれた誕生日パーティーに出席していた。
篠田はインフルエンザを発症しており、栄治の死因はうつ病により弱っていたところにインフルエンザを発症し、免疫に打ち勝てず亡くなったという。
篠田は、自分が原因で栄治は亡くなった。要は自分が犯人であると言い始める。
麗子は篠田を犯人にし、報酬として栄治の遺産の一部を貰う目論みを立てる。
元彼が残した莫大な遺産を巡り、犯人選考会が開かれる。
様々な自称犯人を名乗る中から、麗子は依頼人を犯人に仕立て上げることはできるのか?
今までにないトリッキーな遺産相続ミステリー。