最後に見たのは絶望の闇か、希望の光か。
どうして死ななくてはいけなかったのか?
クリスマスイブの夜、新宿区の空きビル1階で女性の遺体が発見された。
50代と思われるその女性は着衣が乱れ、身元は分からない。
その女性の指紋を調べていくと、千葉県で男性が刺殺された未解決事件の現場で採取された指紋と一致。
女性はホームレスであった。
都内と千葉の事件、重なるはずのない2つの事件が、思いもよらぬ接点を持ち、真相へと進んでいく。
幸せとは、慎ましく平穏に暮らすことか。幸せとは、他人から羨ましがられることか。
「あの日、君は何をした」の続編となる、負の感情にかき乱されながらも必死に生き抜く人たちの、もどかしく切ない、人間の欲を露呈するミステリー小説。