神は存在するのか?金に勝るものなどないのか?
バラバラ遺体を元に、交わることの無い人生が繋がっていく。
泥棒の黒澤は、盗みに入る家について徹底的に調べるまさに泥棒のプロ。
精神科医の京子は、不倫相手との再婚の為に相手の妻を殺そうと企てる。
リストラにあった豊田は、再雇用先が見つからず、代わりに拳銃と犬を手に入れる。
飛び降り自殺をした父を思う河原崎は、神と崇められる高橋に夢中になる。
ラッシュライフ。
激しい人生。豊潤な人生。気の早い人生。急ぐ人生。
それぞれの人生を垣間見ると、不思議な繋がりが顔を出し、そこには必ずバラバラ遺体が登場する。
仙台の街で噂される、バラバラ遺体がくっついて歩き回るという奇妙な話。
先の読めない展開と、全てを見据えた名言。
巧妙な騙し絵は、読み終わると共に浮かび上がってくる。
リレーのバトンのように次々と繋がる、圧巻の群像劇。