仙台市内で起こる連続放火事件。
その現場の近くには謎の落書きが描かれている。
兄の泉水は遺伝子情報を扱う会社に勤める営業マン。
弟の春は定職には就かず、街中に描かれる落書きを消し報酬を得て生活していた。
泉水と春は、半分しか血が繋がっていない。
春は泉水が1歳の時に、母親が連続婦女暴行犯に襲われた時にできた子なのだ。
ある日、泉水が出社すると会社が放火の被害に遭っていた。
大事には至らなかったものの、泉水は驚く。
前日の夜、春から次は兄貴の会社が放火されるかもしれないと連絡が入っていたからだ。
泉水は何故分かったのかと春に聞くと、放火の被害に遭った場所の近くに必ず落書きが描かれていると言う。
そして昨晩、その落書きが泉水の会社の近くにあったというのだ。
春から放火事件と落書きの関係を聞き、謎解きに乗り出す泉水。
調べを進めるにつれてあるルールがあることを見つけ、偶然とは思えぬ事件の全貌に泉水は頭を抱える。
そして、泉水にとある美女が近づいてくる。
その美女は日本文化会館管理団体の職員と名乗り、
春について調べているという。
なんでもこの頃の春は精神的に不安定でおかしいとか。
楽しそうに生きてれば、地球の重力なんてなくなる。
血の繋がりがない兄弟、遺伝性のない親子。
ミステリーを軸とした家族愛溢れる苦悩と決断の物語。