1か月後、小惑星が地球に衝突する。
生きる苦しみを味わってきた4人は、最期をどう過ごすか。
1か月後、地球が滅亡すると知ってから、人々の生活は一変する。
海外では暴動が起き、街中の店舗は襲われ、火の手が上がる。
第一章の主人公は、高校のスクールカースト最下層にいるいじめられっ子の友樹。
そんな彼は、学園のマドンナ雪絵に片思いをしている。
同級生が飛び降り自殺をしたことをきっかけに、友樹の周りでも地球滅亡が現実味を帯びてくる。
雪絵が、死ぬ前に大ファンの歌手LOCOに会いに、1人で東京に行くと話しているところを耳にした友樹。
無法地帯となった東京に1人で向かうのは危険と思い、こっそり付いていくことにする。
第二章の主人公はヤクザの信士。
台頭する若頭を殺すよう兄貴に頼まれ、見事成功する。
だが、もう地球が滅亡するのなら殺さなくても良かったと言われ、荒れ果てた生活も自分もバカバカしくなる。
死ぬ前に、かつて愛し、胸にその名前のタトゥーを入れた女性に会いたくなった信士は、その女性の家を突き止め会いに行く。
絶望の淵に立たされた中でも、愛と優しさだけは生きていて欲しい。
死を目の前にした4人が、自分なりの居場所を探す感動の連作短編集。