糖質のかけ合わせは美味しいに決まっている。美味と美味の相乗効果は人を狂わせるのだ。
揚げ物が大好きな私だが、とんかつはあまり食べてこなかった。それはお酒との相性が原因かもしれない。コロッケやアジフライはお酒のお供としてよく耳にするが、とんかつは和食のイメージ。定食で食べてこそのとんかつ。
だが、考えてみたらカツサンドというものもある。ごはんに留まらずパンと食べても正解という真実。ということは、お酒にも合うのではないかという私なりの思考に至った。
ということで、新宿に黒豚を使った絶品カツサンドのお店があると聞き、早速行ってきた。
大都会新宿の閑静な住宅地の一角に佇む「クロカツサン」
JR新宿駅から都庁や新宿中央公園方面に歩くこと約15分。都庁前駅、西新宿五丁目駅からなら徒歩8分ほど。
予約が取れない朝食バイキングでお馴染みのMORETHAN TAPAS LOUNGE、ザノット東京の真裏に位置するのが、「黒豚カツサンド専門店クロカツサン」だ。
新宿の中心地の喧騒から一転して、ホテルやオフィスビル、住宅地に囲まれたエリアではあるが、社会人や学生、外国人の方々で店内はまずまずの混雑具合。
カウンターと奥にテーブルが数席あるが、シンプルかつオープンな作りで座席数は少なめ。事前に予約電話をとの注意書きがあったが、確かにすぐ入りたければ予約をしておいたほうが良いかもしれない。
注文口で注文と会計を済ませると、番号札を渡される。番号が呼ばれたら受け取りに向かうスタイルだ。
ミシュラン三つ星店で修行を積んだシェフが作るサンド
黒豚ミルフィーユカツサンド、トリュフポテト、スープ、付け合せ2種のセット。ドリンクは調布ビールに。瓶ビールにテンション上がりながら、ゆっくりとグラスに注ぐ。
食べごたえあるのに手が止まらない「黒豚ミルフィーユカツサンド」
きれいに半分にカットされたカツサンドが、こちらを向いて立っている。ひとつ手に取り端からガブりとかぶりつくと、パンのサクサクっとした音が口の中に響く。程よい甘さのソースをたっぷりとまとったカツは、すんなりと噛み切れる。
ロース肉を重ねているとはいえジューシーさは健在で、黒豚ならではの弾力感も相まってかなり食べごたえがある。そして千切りキャベツはマリネされており、パンにしっとりと添い寝しておりとても食べやすい。
メインはカツなんだろうけど、パンの美味しさにうっとりした。注文ごとにトーストしているようで、小麦の香りが心地よい。耳まで柔らかく、冷めてもしっとり。
カツの脂と病みつきソースが染みたパンは、サクッと歯切れてジュワッと口内に広がり、芳醇に包まれる。
付け合わせの役割を全力で果たす付け合わせたち
にんにく感強めなキャロットラペは、乳化されていて味がしっかりと口に残る。塩味で味付けされた紫キャベツはさっぱりしていて、お口直しにちょうどいい。
おちょこサイズのオニオンスープは、カツの脂を美味しく流してくれて、結構ありがたい存在。
黒トリュフの塊かと思うくらい濃い「トリュフフレーバーポテト」
実はカツサンドと同じくらいに楽しみにしていたトリュフポテト。期待を大いに上回る黒トリュフの濃さに大事に大事に1本ずつ味わって食べた。ううう、美味しいぃぃぃぃぃぃぃ。
どうしてこんなにトリュフみが強いかというと、出来立てのポテトにトリュフオイルを吹きかけているからだそう。鼻を直撃するトリュフの香りと、控えめな塩味、ほっくりとしたポテトの滑らかさが食欲を増幅させる。
あああこれだけ食べ続けていたい。ポテトつまみにビールは秒で飲み干した。
豊富なメニューに飽きない絶品さ
サンド以外にもバーガーも用意があり、どれも美味しそうなビジュアルであった。モーニングからやっており、朝から贅沢に肉をかぶりつけるのは最高だ。営業終了時間は少し早めなので行くときは時間に注意してほしい。
テイクアウトして新宿中央公園でピクニックしてもいいかもしれない。
胸を張って美味しいと紹介できる、大満足なお店であった。カツサンド×ビール、合わないはずがない、というか美味しいものはなんだってお酒に合うのだ。