遡ること遥か昔、高校の修学旅行で沖縄に行った時のこと。現役全盛期(何の?)だったから、それはそれは食欲旺盛で。
初めて口にした沖縄そばの美味しさに感激し、友人たちから譲り受けた器を3つは平らげた記憶がある。
朝食バイキングでは誰よりも先に会場に行き、最後まで食べ続け、パンは紙ナプキンにくるんで部屋まで持ち帰るという暴挙にも。今尚バカにされる爆食期である。
話を戻して。上京した時に、沖縄出身の方から教えてもらった沖縄料理店がここ「やんばる」。ガッツリ沖縄を満喫できる定食を食べたくなったので行ってきた。
改装して定食は1階、居酒屋は2〜3階に
かつては居酒屋と定食屋が隣同士だったが、移転&改装して同じ建物に。
1階は定食屋で、入り口脇に券売機があり、購入してから店内に入る。そば類、ちゃんぷる系、ご飯ものまで幅広く、オリオンビールもある。定食のお供として軽く飲んでねの優しさ。
大きなカウンターがぐるっと半周。好きな席に座り、店員さんに食券を渡す。厨房メインの綺麗な店内に、威勢の良い挨拶やコールが心地いい。
ものの10秒でオリオンビールが到着。喉を潤し、席を物色しながら待つことに。
卓上には、コーレーグースに七味、タバスコ、刻み紅生姜と沖縄尽くし。何にどれを入れようか考えている時間をつまみに、ビールが進む進む。
やんばるならこれ一択「ゴーヤーちゃんぷるー定食」
ゴーヤーちゃんぷるに人参の炊き込みご飯、特製やんばるそばのお得な定食。
ご飯も麺もゴーヤもいきたい気持ちを全て包み込んで昇華させてくれるお気に入りのメニューだ。
ゴーヤの盛りたっぷりの「ゴーヤーちゃんぷる」
ゴーヤに豆腐、ランチョンミート。卵がたっぷり絡まり、具材も盛りだくさん。ゴーヤも程よい厚みで存在感大あり。
瑞々しい苦みが病みつきで、ザクザクっとした食感と共に爽快さが押し寄せる。
しっかりとした塩味で、卵やスパムにまでも味が染みているので、一緒に食べるとゴーヤの苦みが中和される。
優しい味わいにほっこりする「人参の炊き込みご飯」
定食の名の通りご飯がつく。かなり硬炊きのご飯で、刻んだ人参が心ばかり入っている。
炊くときに白だしかなにかの下味つけているのか?若干の風味を感じ、ゴーヤと一緒に頂けば、口内は優しい味に包まれる。
硬めなご飯が好みだから、個人的にかなり嬉しい。
沖縄の炊き込みご飯というとジューシーがある。ジューシーにもお米の固さ別に種類が分かれるのだが、断然硬め派。柔らかい方は炊き込みご飯というより雑炊に近いため、あれはあれで好きなのだが。
麺の独特な食感を楽しむ「特製やんばるそば」
ハーフサイズの盛りで具材は豚肉とネギのみと、実にシンプル。
鰹節の出汁がしっかり効いた強い塩味のお汁。パンチがあるのに後味はさっぱりするという不思議。汁をつまみにビールが飲める酒泥棒だ。
表面ツルッとしているのに、噛むとコシはなく粉っぽさすらを感じるならではの麺。ボソボソとした食感で、口内に散らばるのが楽しい。
繊維質な豚の煮込みは甘さが強く、1枚きりなのが惜しい。ゆっくり大切にしながら食べ進める。
島唐辛子で沖縄にひとっとび「コーレーグース」
泡盛に島唐辛子を漬け込んだコーレーグース。沖縄ならではの辛味調味料。
汁に3〜5プッシュすれば、出汁の甘みが引き立ち、後半のスパートがかかる。
泡盛の爽やかな風味が広がり、舌に唐辛子の辛味がピリリとくる。辛みというより風味豊かになるという方が正解かもしれない。
食堂でゆっくり沖縄料理を楽しむならやんばるに
沖縄居酒屋はよく見るが、カウンターで定食メインとしているお店は少ない。静かな空間で、厨房の音をBGMに料理と対面できるこのお店、大事にしていきたい。
店舗情報「やんばる」